人事労務管理の窓

雇用契約書の書き方や有給休暇の取得などを細かく解説。ひな形のダウンロードも可能です。

健康保険の扶養について確認しなければならないこと

      2017/01/29

08e52cdf6522eafd070571b437159297_s

人事の仕事を担当していると、従業員から健康保険の扶養に加入させられるかどうか質問されることが多々あります。
従業員にとっては家族を健康保険の扶養に入れられるかどうかで支払う保険料が違ってくるため、非常に関心が高いです。
実際に健康保険の扶養に入ることができるかどうか審査を行うのは日本年金機構や健康保険組合なのですが、事前にある程度条件が分かれば従業員からの質問への対応もスムーズに行うことができます。

このページでは健康保険の扶養に入るための条件について説明します。健康保険の扶養に入るための目安を知ることがまず第一です。


スポンサーリンク

健康保険の扶養に入るための条件

健康保険の扶養に入れるためには、被保険者との関係と収入面の2つの条件をクリアすることが条件になります。

被保険者との関係

被保険者と同居している必要がない方

・配偶者
・子、孫および弟妹
・父母、祖父母などの直系尊属

被保険者と同居していることが必要な者

・上記1.以外の3親等内の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)

文字で説明すると上記のようになりますが、イメージがしにくいと思いますので、図を載せておきます。
扶養の範囲
兄弟のうち、兄・姉については同居していることが必要であるのに対して、弟・妹については同居していることが必要ないことに注意してください。

収入面の要件

年間収入130万円未満かつ
1.同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
2.別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
ただし、扶養者が60歳以上又は障害者の場合は、年間収入が130万円未満ではなく、180万円未満となります。
この被保険者との関係と収入面の両方の条件を満たすときに「健康保険被扶養者(異動)届」を提出することで、扶養に入れることができるのです。

《参考》健康保険の扶養と国民年金第3号被保険者について押さえるべき3つのこと

スポンサーリンク

75歳以上になると後期高齢者医療制度に加入

75歳になると一部の方を除き、基本的には後期高齢者医療制度に加入することになります。
それまで健康保険や市町村の国民健康保険に加入していた方であっても、後期高齢者医療制度に加入することになるのです。
したがって、健康保険の扶養に入っていた方についても、75歳になると後期高齢者医療制度に加入するために健康保険の扶養から抜けなければなりません。

2016年10月以降は被保険者の適用要件が拡大

被扶養者の条件については上記の通りですが、平成28年10月以降については注意しなければならないことがあります。
それは従業員数が501人以上の事業所については、健康保険の加入条件が拡大され短時間労働者であっても健康保険の被保険者に該当する可能性があるということです。
まずは平成28年10月の、適用拡大の条件について説明します。

平成28年10月以降健康保険に加入することになる短時間労働者の条件

  1. 厚生年金保険の被保険者数が501人以上の企業に勤めていること
  2. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  3. 賃金の月額が8.8万円(年収106万円)以上であること
  4. 勤務期間が1年以上見込まれること
  5. 学生であること

この条件を満たしている場合には、今まで配偶者の扶養に入っていた方であっても、健康保険の被保険者になります。したがって健康保険の扶養から外れてしまうことになります。扶養から外れて、健康保険の被保険者になるということは、同時に厚生年金保険の被保険者になるということですから、健康保険や厚生年金保険の保険料が発生することになります。上記の条件を満たす配偶者がいる場合については要注意です。

平成28年10月から配偶者の勤務先で健康保険に加入する可能性がありますので、人事担当者としては事前に従業員から配偶者の状況について聴取し、届出もれがないようにしなければなりません。

まとめ
健康保険の扶養に関する質問を受けると、人事担当者として回答に困ることが多々あります。それは従業員の家族の収入や年金額について詳しく聞かなければわからないためです。また健康保険の扶養の制度が分かりにくいことも原因の一つでしょう。年金事務所に被扶養者異動届を提出したが、受理されなかった、ということがないように事前に従業員からしっかり必要事項を聞きとって、間違えのない手続きを行いましょう。

 - 社会保険

  関連記事

厚生年金保険と健康保険加入の基礎について学ぶ!

厚生年金保険と健康保険、それぞれの取扱機関は分かりますか? 会社で社会保険の事務 …

入社した従業員を社会保険に加入させるか判断するための3つの条件

社会保険は正社員だけではなく、パートタイム労働者についても条件を満たした場合には …

厚生年金の違法な未加入について年金機構が調査開始!加入条件の見直しを!

先日、厚生年金保険の違法な未加入事業所に対して、2017年までに適用促進を行うこ …

年に1度提出する「算定基礎届」とは?

社会保険の手続きの中でも最も複雑で面倒なものが算定基礎届の作成です。 社会保険の …

健康保険の扶養と国民年金第3号被保険者について押さえるべき3つのこと

企業で人事の仕事をしていると扶養についての相談を受けることが、多々あると思います …

有給休暇
標準報酬月額とは?標準報酬月額が決まる3つのポイントはコレ!

社会保険の保険料は、従業員が毎月会社から受ける給料から天引きする標準報酬月額と賞 …

要注意!法人の役員が社会保険に加入する9つの条件とは?

法人の役員をされている方の中には、2つ以上法人の役員をしている方がいます。A社で …

試用期間中は社会保険に加入させなければならないのか?

経営者から多く質問されるものの一つに試用期間中の社会保険の取り扱いに関するものが …

配偶者を社会保険の扶養に入れるための条件

毎年のことですが、年末調整の時期になると扶養の条件の話が話題になります。 扶養の …

起業するなら絶対に覚えておきたい社会保険と労働保険の基礎知識

会社を経営していくうえで必要な知識は様々ありますが、その一つに社会保険や労働保険 …