社会保険は正社員だけではなく、パートタイム労働者についても条件を満たした場合には加入しなければなりません。
年金事務所では「パートだから加入しなくても良い」、「時間給の従業員は加入が必要ない」という判断をするわけではありません。
あなたの会社での呼び方にかかわらず、給料の支払い方にかかわらず、条件を満たした場合には加入しなければなりません。

最近では年金事務所での調査で加入を指摘されたりする場合があります。
しかも入社時にさかのぼって加入するよう指示される場合もありますので、社会保険の加入についてはしっかり把握し、もれなく手続きを行わなければなりません。

このページでは従業員の社会保険の加入基準について説明します。

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健康保険と厚生年金保険に加入しなければならない年齢

最初に健康保険と厚生年金保険の加入しなければならない年齢について確認します。
「何歳から加入する」というルールはありませんが、何歳まで加入するというルールが存在します。

  • 健康保険・・・すべての国民は必ず何かの健康保険に加入しなければなりませんが、会社の従業員として加入する健康保険は75歳までと決まっています。75歳になると後期高齢者になりますので、会社の従業員としての健康保険は喪失することになります。
  • 厚生年金保険・・・厚生年金保険は70歳まで掛けることになります。

上のように健康保険は75歳、厚生年金保険は70歳までの加入です。
したがって75歳以上の方については社会保険の資格取得届の手続きの必要はありません。
※ただし従業員の年齢によっては報酬の届出をしなければならないケースがあります。

社会保険の加入条件とは

上で説明した年齢の範囲内である従業員については、条件に当てはまればパートでも時間給でも社会保険に加入する可能性があります。
ここではさらに社会保険の加入条件について説明します。

  1. 会社自体が社会保険の適用を受ける事業所であること
  2. 常用的雇用関係にあること

この2つの条件を満たした時に加入することになりますが、次から少し具体的に説明します。

会社自体が社会保険の適用を受ける事業所であること

社会保険の適用事業所には2つの種類があります。

  1. 強制適用事業所
  2. 任意適用事業所

強制適用事業所

強制適用事業所とは文字通り社会保険の加入が義務付けられている事業所です。
株式会社などの法人の事業所や従業員数が常時5人以上いる個人の事業所が強制適用事業所となります。
※個人事業の場合には業種によって強制適用事業所にならない場合もあり。
例:旅館、飲食、理美容業などのサービス業

任意適用事業所

強制適用事業所以外の事業所であっても、従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることにより適用事業所となることができます。
そのような事業所が社会保険に加入した場合には任意適用事業所といいます。
例:個人事業所で従業員数が5人未満の事業所

これらの適用事業所に勤めている従業員であることがまず第一の条件です。
次から具体的に従業員が社会保険に加入する必要があるかどうか判断する方法を説明していきます。

常用的雇用関係にあること

上で説明した適用事業所に勤めている従業員のすべてが社会保険に加入するわけではありません。
従業員の中でも「常用的雇用関係にある」従業員が社会保険に加入することになります。
それではその「常用的雇用関係」について説明します。

常用的雇用関係にあるとは?

雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として給与や賃金を受ける場合に常用的雇用関係にあるといいます。
正社員でフルタイムで働く社員についてはこれに当てはまるとすぐにわかるかもしれませんがパートタイム労働者については次のような基準で加入するかどうか判断します。

労働時間が社員の4分の3以上であること

社会保険の加入条件
1日の所定労働時間が、一般社員の概ね4分の3以上の場合に該当します。日によって勤務時間が変わる場合は、1週間で合計し、所定労働時間のおおよそ4分の3以上である場合に該当します。
したがって一般の社員が1日に8時間働くのであれば、1日の所定労働時間が6時間のパートでも該当することになります。

勤務日数が社員の4分の3以上であること

1か月の勤務日数が、一般社員の所定労働日数の概ね4分3以上であれば該当します。
したがって、その事業所で同じような業務をしている一般社員と比べておおむね4分の3以上勤務しているパートでも該当することになります。

まとめ
いかがでしたか?
正社員の採用については社会保険の加入が必要だとわかると思いますが、パートタイム労働者についても条件を満たしている場合には社会保険の手続きが必要です。
このページを参考にして、社会保険に加入しなければならないかどうか判断してください。

年金機構窓口連絡先一覧はこちら

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出典:厚生労働省ホームページ (http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/150603_nenkinmadoguchi.pdf)