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契約社員の雇用契約書で最低限注意すべき「契約期間」とは?

      2017/01/24

契約社員の雇用契約書で最低限注意すべき「契約期間」とは?

期間の定めのある雇用契約を会社と従業員の間で結ぶと、従業員はその契約期間中には退職することができなくなります。
期間の定めのある雇用契約は労働者の従業員としての身分を拘束するものであるため、労働基準法では契約期間についてルールを定めています。
ここでは雇用契約の期間に関するルールについて解説します。

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1回の雇用契約で定められる期間は何年までか?

労働基準法では1回の労働契約の期間は3年までにしなければならないと規定しています。
例えば1回の契約が1年で、その契約を毎年更新することで3年を超えることはできますが、1回の雇用契約が3年超えることはできません。
これは労働者の立場を不当に拘束してしまうことを防止するための規定ですが、次の場合には3年を超える雇用契約を結ぶことも可能です。

3年を超える雇用契約を結ぶことができるのはどのような人か?

先ほど雇用契約期間を3年までにしなければならない理由は労働者の身分を不当に拘束しないためであると説明しましたが、次のような人については雇用契約期間が3年までではなく、5年まで認められています。

    5年の雇用契約期間が認められる場合

  1. 専門の知識、技術または経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される雇用契約
  2. 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約

これらの雇用契約の場合は雇用契約期間は3年ではなく5年まで認められます。
特に2番目の満60歳以上の労働者との契約については、労働者の身分を不当に拘束するものではなく、むしろ長期の雇用契約は労働者側にも歓迎されるものでもあります。

ここで1番目の「専門の知識、技術または経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される雇用契約」について少し具体的に説明したいと思います。

「専門的知識等を有する労働者」とはどのような人をいうのか?

この専門的知識等を有する労働者について、平成20年厚労告532号では次のような人を挙げています。

  1. 博士の学位を有するもの(外国において授与されたものを含む)
  2. 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士又は弁理士の資格を有する者
  3. 情報処理の促進に関する法律に規定する情報処理技術者試験の区分のうちシステムアナリスト試験に合格した者又はアクチュアリーに関する資格試験に合格した者
  4. 特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者

そのほかにもありますが、代表的なものとしてこのような人が挙げられています。

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最長3年の契約期間の例外はないのか?

上記の説明が原則ではありますが、例外もあります。
次のような場合は契約期間の例外であり、3年を超える雇用契約も有効とされています。

    契約期間の例外

  1. 一定の事業の完了に必要な期間を定める雇用契約の場合。
  2. 職業能力開発促進法の認定を受けて行う職業訓練を受ける労働者との雇用契約の場合。

1については、たとえば工事現場やイベントなどの、期限が決まっているものに対する雇用契約の場合が挙げられます。
雇用契約の期間が決まっており、その期間の契約であることを従業員が納得して雇われているのですから、3年を超える雇用契約にしても従業員の不利益にはならないため、契約期間の例外として認められています。

まとめ
雇用契約は会社が従業員と結ぶ契約ですから、どのような期間の契約であっても従業員が納得しているのであれば認めて良いような気がするかもしれません。
しかし労働基準法では労働者保護の観点から雇用契約期間について一定のルールを決めています。
雇用契約を締結する際にはこのルールを守って契約期間を設定するよう気を付けてください。

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