[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]最近、発注が増えてきて人が足りないもんで、求人広告を出そうかと考えているんだよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s3.png” name=”社労士”]それは景気のいい話ですね![/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]それでさ、うちは機械や材料なんか、重たいものばっかりだから、男性を募集したいと思ってるんだけど。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s5.png” name=”社労士”]それは待ってください。求人広告に「男性募集中」と書いてはダメですよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r5.png” name=”A社長”]ダメなの!?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]「男女雇用機会均等法」っていう法律があります。この法律では、「男性のみ」「女性のみ」の募集を原則禁止しているんですよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r5.png” name=”A社長”]でも、うちは、現場には男性しかいないよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s3.png” name=”社労士”]それでしたら、「男性が活躍している職場です!」と現状を書くのは大丈夫ですよ。ただし、女性が応募してきたら断ろう、という方針ではダメですが。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r5.png” name=”A社長”]うーん、男性しか採用しない、というのはダメなの?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]募集した結果、男性しか集まらなかった、というのは問題ありませんよ。面接の結果、いい人だと思ったのが男性だった、というのも問題ありません。最初から「女性は採用しない」という方針がダメなんです。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]じゃあ、男性が当てはまりそうな条件を書くのはどう?例えば「体力がある人」とか。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]「体力がある人」と書くのもダメなんです。また、男性だったら70kgぐらいあるかなと「体重70kg」と書くのもまたダメなんです。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r5.png” name=”A社長”]いろいろ制限があるんだね…うちに合う人に来てもらうにはどうしたらいいかな?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s3.png” name=”社労士”]求人広告に、職務の内容を詳しく書くのが一番ですよ。「20kgの製品を運びます」とか、「2トントラックでの配送もお願いします」と実際にやってもらう職務を書けば、入社してから「無理です、辞めます」と言われることもないでしょう。また、御社で働くとどんな資格が取得できるかを明記すると、やる気のある人にアピールできますよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r3.png” name=”A社長”]なるほどね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s3.png” name=”社労士”]女性でも重たい物を運ぶ体力のある方はいらっしゃいますよ。女性のドライバーも最近増えていますし、今まで男性しかいないイメージだった職場に女性が進出しています。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r3.png” name=”A社長”]そうだね、フォークリフトで積み下ろしするなら女性でも出来るもんね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]御社でも、今いる従業員さんがベテランになっても長く勤めてもらえるよう、重たい物はなるべく手で持たずに動かせるように考えてみてはいかがですか?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r3.png” name=”A社長”]いい人材に長く勤めてもらう方が、会社にとっても助かるからね。その方針で考えるよ。ありがとう。[/speech_bubble]

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募集や採用は男女平等に

男女雇用機会均等法では、募集や採用において性別を理由に差別することを禁止しています。
経営者としては適材適所に人材を配置し、効率的な経営をしていきたいと考えることは当然と言えます。
しかし従業員の募集や採用で男女を差別することが、そのまま適材適所につながるとは言えません。
力仕事であっても、内容によっては女性でも十分に対応できる可能性がありますし、繊細な仕事が常に男性に向かないとも言えません。
ですから募集や採用については男女に平等な機会を与える必要があるのです。

間接差別についても禁止している

上の例で社会保険労務士は「体重70kg」と書いて募集することはNGであるとA社長に説明しています。
これは間接差別と言います。
男性であれば満たしそうな基準ですが、女性であれば満たしにくい基準になります。
このような基準を設けることで、暗に男性を募集しているということになるため、認められていません。

仕事内容を明確にして納得して応募してもらう

3dman_eu / Pixabay

募集をするときには、どのような仕事をしてもらいたいかを明確にして求人票を作成しましょう。
そのうえで、男性も女性も「これなら私にもできそう」と思って応募してもらえれば、仕事内容とのミスマッチも減ります。
「うちの業界は男性」、「うちの業界は女性」と括ってしまうと、良い人材を逃してしまうことにもつながります。
今まで男性が行っていた仕事でも、女性が入ることで、気が付かなかったビジネスのヒントを得られることも考えられます。
人材難の今だからこそ、幅広く募集・採用することについて、今一度考えてみましょう。

参考資料

企業において募集・採用に携わるすべての方へ、男女均等な採用選考ルール(厚生労働省資料)