社会保険の手続きの中でも最も複雑で面倒なものが算定基礎届の作成です。
社会保険の事務担当者の中でも苦手な方が多いのではないでしょうか?
複雑で面倒、しかも年に1度しか関わらないため、覚えていることも難しい・・・
それが算定基礎届です。

しかし算定基礎届は従業員の健康保険と厚生年金保険の等級を決める大事な手続きでもあります。
ここで決まった等級により、その後の1年間支払い続ける社会保険料が決まるのです。
そう考えると算定基礎届は間違えることのできない大切な手続きであるとお分かりいただけると思います。

社会保険料の計算を間違えると、従業員の給与支払額が変わってしまいます。
給料支払額に間違えがあると、従業員から給料の一部を返していただいたり、追加で支払わなければならなくなってしまいます。
従業員からの信頼を失うことになりかねませんので、細心の注意を払わなければなりません。

それでは説明をしていきます。

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算定基礎届とは?

算定基礎届とは、その年の9月から1年間の健康保険と厚生年金保険の保険料の等級(標準報酬月額)を決めるための届出です。
この年に1度標準報酬月額を見直すことを定時決定といいます。
この算定基礎届がなければ、実際の給料と健康保険と厚生年金保険の等級に差が生じてしまう可能性があります。
定時決定により健康保険と厚生年金保険の等級を年に1度見直すことで、実際にもらう給料と社会保険料に差が生じないようにしているのです。

算定基礎届を提出しなければならない被保険者とは

算定基礎届は基本的には社会保険に加入している従業員全員が対象になりますが、次の条件の方については算定基礎届の提出の必要がありません。

  • 6月30日以前に退職した方
  • 6月1日以降に被保険者になった方
  • 7月に標準報酬月額の随時改定が行われる方

これらの方については算定基礎届の必要はありません。

6月1日以降に被保険者になった方が算定基礎届の対象にならない理由

算定基礎届は4月・5月・6月に支払った給料を記入し、その3か月間の給料の平均を等級に当てはめて決定するものです。
ですから6月以降に入社した方であれば6月に支払った給料は満額の給料にはなりませんよね?
そのことを考えると、6月以降に入社した方が算定基礎届の届出の対象にならないことが、お分かりいただけると思います。

7月に随時改定が行われる方が算定基礎届の対象にならない理由

7月に随時改定される方については算定基礎届の対象にはなりません。
その理由はわかりますか?
その理由は算定基礎届の届出に記載する給料支払月に関係があります。
算定基礎届に記載する給料は4月・5月・6月に支払った給料です。
そして7月の随時改定も4月・5月・6月に支払った給料を元に計算します。
したがって算定基礎届も7月の随時改定も同じ支払い月を対象にしているのです。
ですから随時改定により、7月の月額変更を算定基礎届よりも優先させたほうが、実態にあった標準報酬月額を適用させることができるのです。
そのような理由から、7月の月額変更を優先させ、算定基礎届を対象外にしているのです。

算定基礎届の提出時期と提出先

算定基礎届は毎年7月10日までに年金事務所に提出します。
平成28年については、7月10日が日曜日ですから、提出期限は7月11日になります。
そして提出時には総括表総括表附表についても記入し、一緒に提出することになります。

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