有期雇用契約であれば、雇用契約期間が満了したときに引き続き働いてもらうかやめてもらうか、会社の判断で決めることができると思っている方が多くいます。
しかし、契約期間が満了したとしても、引き続き働いてもらうかどうかを、自由に決めることはできません。
したがって、どのような場合に有期雇用契約を終了することができるのか、どのような場合には終了することができないかを知っておくことが大切です。

このページでは有期契約労働者の雇止めを有効にするための方法について説明していきます。

スポンサーリンク




労働契約法第19条の確認

平成25年4月1日から適用されている労働契約法第19条では有期契約労働者の雇止めの有効性について次のように規定しています。

労働契約法第19条(有期労働契約の更新等)
有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

  1. 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
  2. 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

平成25年4月よりも前は、過去の最高裁判例により一定の場合に雇止めを無効とする雇止め法理が存在しましたが、労働契約法に条文化されたのです。

有期契約労働者の雇止めが認められない場合

労働契約法第19条では雇止めが認められない場合について規定されています。
簡単に言うと、

  1. 期間の定めのない契約と実質的に同じ場合
  2. 有期労働契約が継続すると考えられる合理的な理由が存在する場合

このような場合には雇止めは認められないのです。

有期契約労働者の雇止めが有効になる場合とは

有期契約労働者の雇止めを有効にするためには、有期契約が終了することを明確にする必要があります。
そのためには

  1. 雇用契約書に契約の更新がないことを明示すること(不更新条項の明記)
  2. 有期契約が継続すると勘違いするような言動は控えること

この2つが大切です。

雇用契約書の説明、従業員の理解が大切

有期契約労働者の契約を更新しない場合の雇用契約書の記載方法
雇用契約書で有期契約が終了することをしっかり明記して、従業員に次回の更新がないことを説明します。雇用契約書に従業員の記名・押印があってもしっかりと説明しなければ契約更新の期待があったとみなされてしまう可能性があります。
誤解の内容にしっかりと雇用契約書の内容を説明して、記名・押印をしてもらいましょう。
また雇用契約書の説明をした際の言動にも注意が必要です。
次回の契約更新の期待を持たせるような言動は控えましょう。