新しく採用した従業員の働きぶりや協調性などを確認するために、会社では試用期間を設けて採用することがあります。
この試用期間中の従業員に仕事を教えるために残業をすることになった場合、会社は残業代を支払わなければならないのでしょうか?
試用期間中の従業員に対しても残業代は支払わなければならないのか?
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]最近本来の業務が忙しくて、なかなか試用期間中のS君を指導する時間がないんだよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]忙しいのはいいことですね。でもそんな時こそ新人を早く一人前にしたいのに、教える時間がないのは困りますね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]そうなんだよ…何とか人をやりくりしている状況だからね。S君にも早く一人前になってもらいたいと思って、その日の業務が終わってから教えることもあるんだ。所定労働時間を過ぎてしまうこともあるんだけど、問題あるかな?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]試用期間でも残業をしてもらうことはできます。ただし、残業代の支払いは必要ですよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r5.png” name=”A社長”]そうなの!?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]上司が指示をして1日8時間、週40時間を超えて拘束していた場合には、業務ではなく研修や指導を行っていたのであっても、残業となります。試用期間であっても雇用関係にあることには違いないので、残業代が発生するんですよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r4.png” name=”A社長”]仕事をしていなくても、残業代が発生するのか…[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]試用期間ですから、仕事はできなくても仕方ありませんよね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r4.png” name=”A社長”]それはそうだね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s2.png” name=”社労士”]細切れの時間に教えたり、実際に業務を行う時に教えながらやって見せて、少しずつS君にできる仕事を増やしてもらいましょう。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r2.png” name=”A社長”]そうだね、それしかなさそうだ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”R1″ icon=”s3.png” name=”社労士”]試用期間の間は、会社や仕事に慣れる期間です。環境が変わって疲れも出ますし、なるべく所定労働時間内に終わるようにしてあげた方が、本採用時にいいスタートを切ってもらえると思いますよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”r3.png” name=”A社長”]うん、そうだね。最近、同業他社でも入ってすぐ辞める人が増えていると言うし。できるだけスムーズに会社になじんでもらうため、なるべく残業はさせないようにするよ。[/speech_bubble]
試用期間中であっても残業代を支払わなければならない
試用期間中であっても従業員には変わりありませんので、1日8時間、週40時間を超えて労働してもらうことになれば、当然残業代は発生します。
これはたとえ従業員が仕事に不慣れで、教えるために時間が必要だったとしても同じです。
新人社員は仕事が分からなくて当然ですから、仕事を覚えてもらうために勤務時間終了後に残ってもらって教えたとしても時間外労働になるのです。
社長の中には、「時間内に終わって当然の仕事量だから、残って仕事をしても残業を払う必要がない」と考えている方もいらっしゃいます。
しかし使用者の指揮命令のもとに業務についた場合には、労働時間と考えられるため、残業代の支払いは必要なのです。