もしかするとあなたの会社では退職時に退職届を出してもらうことが当然のことのように扱われているかもしれません。しかし、場合によっては退職する従業員がいつまでも退職届をもってこない場合があります。
すでに退職の意思を従業員から聞いているため、退職すること自体は確認しているけれども退職届がもらえない。
このような場合には会社としてどう対応すべきでしょうか?
このページでは退職届を出さない従業員に対して会社はどう対処すべきか、また退職届の提出と併せてどのような方法を実践すると良いのか解説します。
退職届を無理に書かせてはいけない
まず絶対にしてはならないことは、退職する従業員に無理やり退職届を書かせることです。
会社が無理に従業員に退職届を書かせることは避けなければなりません。
それはたとえ就業規則で退職届の提出を義務付けていたとしても、です。
「会社に退職届を書かされた」そう従業員が感じ、心証を悪くすると労使間のトラブルに発展し、労働基準監督署に駆け込まれるという自体になりかねません。
もしも従業員が退職届を書かないのであれば、なぜ書かないのかを聞いてみましょう。
もしかすると書き方が分からないのかもしれませんし、書いた退職届の渡す相手が分からないのかもしれません。
無用なトラブルを避けるためにも、まずは聞いてみることから始めましょう。
退職の意思表示は書面で行わなければならないのか?
ちなみに退職の意思表示については書面で行う必要はありません。
したがって退職届の提出自体は退職の条件ではありません。
もし就業規則で退職する場合には退職届を提出することと書かれているのであれば、退職届の提出を求めるのはかまいませんが、もしそのようなルールがないのであれば退職届に固執する必要はありません。
その点についても覚えておいてください。
退職時には誓約書も同時にとること
何を制約してもらうのかというと、会社の情報についてです。
在籍している従業員が会社の情報について守秘義務を負っているのはもちろんですが、退職後であっても従業員は会社の情報について守秘義務を負っています。
会社で働くことによって知り得た情報は退職後についても他の人に漏らしてはならないのは当然のことです。
退職後についても守秘義務を守ってもらうことは当然のことだとしても、それをしっかり誓約書として残しておく、それが会社の情報管理の観点からも必要なことでしょう。
貴社の退職者から情報に関する誓約書をもらうことは、関係取引先等を守ることにもつながる、非常に大切なことと言えます。
誓約書に書くべき内容は何か?
「誓約書」と入力し、インターネットで調べると様々な種類の誓約書がヒットします。
それはそれぞれの会社によって秘密にしたい内容が違うからです。
誓約書は「会社が秘密にしておきたい内容を従業員が他に漏らさない旨を誓約する」ということが内容にはなりますが、それはそれぞれ会社によって当然中身も変わります。
それぞれの会社により自由に決めて良い内容になりますので、業務内容に応じて誓約書の内容は考えましょう。
万が一に備えたコンプライアンス上必要な手続きといえます。
退職後の住所や連絡先も確認しておく
住所や電話番号については退職したら関係ないと思われるかもしれませんが、実際には必要になることもあります。
例えば離職票の送付をする場合などです。
離職票の送付をするためには住所が必要になりますし、結婚して名字が変わった場合には名字の確認も必要になります。
退職後についても連絡を取りたいケースは想定されますので、退職時の住所・電話番号と場合によっては氏名についても最後に確認して置くことをお勧めします。
まとめ
退職届を提出してもらうときの注意点と、企業として同時にしておくと良いことについてまとめました。
退職届の提出については、退職する従業員が退職届をなかなか書いてくれず困っているという話をたまに耳にします。
もちろん提出をしてもらったほうが良いのですが、その時に応じて臨機応変に対応することも大切です。
そして誓約書や退職後の連絡先についてもそうです。
あなたの会社で退職者に誓約してもらいたいことをあらかじめ決めておくと今後に役立てられますので、ワードなどで作成しておくことをお勧めします。