従業員が有給休暇を取得したと申し出たらあなたはどうしますか?
どのような理由で有給休暇を取得したいのか聞きたいと思うかもしれません。
しかし労働基準法では有給休暇は労働者の権利であるため、取得の理由は問われません。
簡単にいうと、有給休暇の取得の理由が何であっても労働者が有給休暇の申出をした場合には起業は有給休暇を与える必要があります。
このページでは有給休暇を取得する理由を聞く場合の注意点について説明します。

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有給休暇はどんな理由でもとれる

従業員が有給休暇を取得したいと申し出た時には、企業は原則として申請どおりに与えなくてはいけません。
有給休暇は理由に関係なく、給料をもらいつつ会社を休めるのです。

ですから病気、葬式、結婚式、学校行事だけでなく、趣味やデートのためでも構いません。

どんな理由でもとれる以上、理由も訊かないのが原則です。
ましてや、「デートでは認めることができない」と拒否したら法律違反となってしまいます。

理由を訊かれると、従業員は「こんな理由では休んじゃいけないのかな…」と感じ、有給休暇の取得をためらうようになってしまいます。
法律が日数まで指定して有給休暇を取得できる権利を認めているのですから、従業員が有給休暇を取得しにくい環境を作ると、後に従業員が訴えた時には、会社が不利となります。

それではなぜ理由を訊くのか

ではなぜ有給休暇の理由を訊くのか、考えてみましょう。

単なるコミュニケーション

従業員が有給休暇の取得を申し出てきた時、「なんで?」と軽い気持ちでただ訊いてみた、という経験、ありませんか?

別にたいした興味はないけど、条件反射のように応えた…ということは、家族や友人との会話でもあるかと思います。
場合によっては、何か困ったことがあるなら助けてあげたい、という気持ちもあるかも知れません。

ただ、言われた側にしてみると、詰問されていると感じることもありますので、気をつけた方がいいですね。

他の手段を考えるため

たとえば会社に有給の慶弔休暇があるのに、葬式に出るから有給休暇を取得してきたい、と従業員が申し出てきたら、慶弔休暇の取得をすすめた方がいいでしょう。

理由によっては他の制度が利用できるから、訊いてみたいという場合には、そのことを伝えてから理由を訊くといいでしょう。

時季変更権の活用のため

有給休暇の2大ルール2
その時季は業務が立て込んでいるので、できることなら他の時季に変えてほしい、という時に会社が使えるのが「時季変更権」です。

実際のところ、時季変更権はよほど切羽詰った事情でない限り認められませんので、行使できる状況というのはとても限られますが、まず従業員に打診してみるのは構いません。

その際、どうしても日程を動かせない用事なのか、それとも変えてもらえそうな用事なのかを判断するために理由を訊きたいというのであれば、やはり先にその旨を伝えてから訊きましょう。

有給休暇の取得促進でモチベーションアップ

有給休暇の取得は、法律が定めている以上、避けられません。
また、厚生労働省も労働時間削減のため、有給休暇の取得促進に力を入れています。

だったら、いっそのこと、有給休暇の全消化をめざし、その分業務の効率を上げてもらった方が、従業員のモチベーションもアップしますし、会社の業績にも好影響を与えるはずです。

有給休暇を取得しやすくするためにも、理由の訊き方には気をつけましょう。