有給休暇取得率アップ
有給休暇は条件を満たせば当然に付与される休暇です。
ポイントは、有給休暇を取得するのは「従業員の権利である」という点です。従業員の側から有給休暇の取得を請求されたら、原則として指定された日に付与しなければならないのであって、会社の側から「とりなさいよ」という義務はありません。
ですから、本来は会社としては有給休暇の取得状況を静観していれば良いのです。

なお、有給休暇の付与条件については、最低限覚えておきたい!有給休暇の付与日数の基本2大ルールをご覧ください。

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年5日は取らせないといけなくなる

厚生労働省の平成26年就労条件総合調査の結果によると、平成25年の年次有給休暇の取得日数は、平均で9.0日。取得率は48.8%だったそうです。

平成26年就労条件総合調査の概況:結果の概要(1.労働時間制度)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/14/gaiyou01.html

政府は労働者保護のため、有給休暇の取得率向上にむけて法改正を検討しています。
年10日以上の有給休暇を付与されている従業員に対し、年5日の取得時季を指定しなければならない、とするものです。

これは義務化であり、少なくとも5日は会社側から取得するように言わなくてはなりません。

2016年4月からの導入を目指す方針だそうですから、会社としても準備を進める必要があります。

会社にもメリットはある

もちろん、従業員にとって給料がもらえる休暇を取得できるのはメリットです。
一方、会社にとってはどうかと言うと、会社にとってもメリットはあります。

「効率化」と「見える化」で会社が活性化するという点です。

有給休暇を取得しやすくするため、というフレーズを前面に出すことで、従業員の効率化への取り組みを促進できれば、会社にとっても人件費削減、利益拡大につながります。

また、「見える化」により、業務の引継ぎがしやすくなり、怪我や病気で突然従業員が休むような場合にも業務が滞ることがなくなり、お客様にも迷惑がかかりません。

有給休暇の取得率が低いということは、従業員にとってはいい雰囲気の職場ではないということであり、有能な社員が離れてしまう原因にもなります。

義務化に合わせて、「効率化」と「見える化」を進め、有給休暇を取得しやすい職場に変えましょう。

会社の都合のいい日に取得させる

有給休暇の計画的付与

さきほど述べた年5日の付与義務には続きがあって、従業員の指定した日や計画的付与した日は除く、とされています。

つまり、従業員が自分で5日取得したり、計画的付与で5日を指定すれば、付与義務はなくなるということです。
とにかく年5日は取得させれば良いという考えのようです。

どうせ付与するなら、会社の都合のいい日に付与した方が業務に与える影響が少なくなります。
そこで、計画的付与の利用が有効です。

計画的付与については、タイトル10.今すぐ始めたい!有給休暇の計画的付与を利用した場合の3つのメリットをご覧下さい。

まとめ
有給休暇は労働者から請求があれば与えなければならないが、会社から取ってくださいと呼びかける義務はありません。
有給休暇を取得できる環境を整備することを名目に業務の効率化を進めることで、無駄を省き従業員の満足が得られるようになります。