有給休暇の申請は書面で

有給休暇の申請は紙ベースで行っている会社がほとんどだと思います。
しかし、環境対策と保存スペースの関係でペーパーレス化をしたい、申請の簡便化のためメールでも申請できるようにしたい、という考えもあります。

紙で行うか、ネットを活用するか…
まず、法律の点で言うと、制限はありません。
会社の就業規則に定めた方法であれば、紙に限らず、メールや口頭での申請も可能です。

可能ではありますが、ベストではない。
それはなぜかと言うと、問題点が2つあるからです。

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問題点1:保存が万全ではない

有給休暇の申請に関する書面その他の証拠は3年間保存しなければいけません。
メールの場合も同様です。

パソコンや外付けハードディスク、USBやCDといった媒体に保存することになると、それらの故障やバックアップ体制などに気をつける必要があります。

ましてや、口頭では証拠が残りません。
上司が記録をとる形で残すしかありませんが、申請者である従業員が関与しない分、日付や人の記録間違いなどトラブルとなる可能性があります。

紙であればファイルに綴じておくだけですから、簡単です。
保存場所の確保という問題はありますが…

問題点2:トラブルが起きやすい

メールの場合、上司に届くたくさんのメールに埋もれてしまい、有給休暇の申請が見逃される恐れがあります。
口頭であれば、言った言わないの水掛け論になる可能性もあります。

申請者の責任できちんと書面に残したほうが、トラブルとなる可能性は低くなります。

書面にする場合の注意点

やはり労務管理上は紙ベースにした方がいいと言えます。
ここで、有給休暇届を作る際にも注意点があります。

(1)理由の記入は任意に


時季変更権を行使する可能性があるから、取得の理由を訊きたいという事情があるかと思いますが、くれぐれも扱いに注意してください。
(時季変更権については、困った時の切り札、時季変更権とはをご覧ください)

本来、有給休暇は理由に関係なく取得できます。
有給休暇届に理由を書かせると、従業員が取得をためらうケースが出てくる可能性があります。

まず、記入を強制してはいけません。
また、理由はあくまでも時季変更権の参考にするのであり、理由によって取得を拒否することはない、ときちんと伝える必要があります。
《参考》
人事担当者必見!有給休暇を取得する理由を聞く3つの訳

(2)申請日と取得予定日は必ず記載する

取得予定日を書き忘れることはないでしょうが、申請日も忘れずに記入してもらいましょう。
なぜかと言うと、就業規則で規定した期限を守って申請しているかのチェックになるからです。

判例では前々日までとした期限を妥当としていますが、実際の就業規則には1週間前という規定もみられます。
(詳しくは、有給休暇の申請はいつまで?答えは会社次第をご覧下さい)

病気などの突発の理由では仕方ありませんが、そうでない理由であっても前日の申請で実際に運用できている、という状況ですと、前日の申請も断れなくなってしまいます。
従業員のやりくりのため1週間は必要だと説明できるのであれば、まずは就業規則の規定を徹底する必要があります。

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