有給休暇

有給休暇の退職直前の大量消化を防ぐための3つの方法

退職直前の有給休暇の大量消化を防ぐ!その対策方法とは?

従業員がある日突然、「辞めます。残りの有給休暇を消化するので、もう会社には来ません。」と言ってきたら、あなたはどう答えますか?

御社の就業規則には、退職する際に何日前までに申し出るのか、規定があると思います。
しかし、その規定は、法律的には無効だと思ってください。

裁判では、民法の規定が優先し、2週間前までに申し出れば良いとされています。
従って、有給休暇の残りが15日あれば、退職を申し出て明日から会社に来ない、ということも可能です。

では、有給休暇の消化は拒否できるのか?
答えは、ノーです。
有給休暇の未消化分が確かにあるのなら、取得を拒否することはできません。
「引継ぎが出来ない」、「足りなくなる人員を確保できない」、という事情があっても、認めなくてはいけないのです。

しかし退職時にまとめて使用されると業務に支障をきたしたり、引継ぎがうまくいかないのは困るので対策を講じなければなりません。
このページでは有給休暇をまとめて取得されることを防ぐ方法をご紹介します。


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退職まですべて有給休暇を取得するなら時季変更権は行使できない

会社には、従業員が取得日を指定して有給休暇の取得を申し出た場合に、取得日を変える「時季変更権」が認められています。
これは事業の正常な運営を妨げる場合に限り、従業員の申し出た取得日を変更できる権利です。

この「事業の正常な運営を妨げる」という要件は、かなり厳しく判断されるために、裁判となると認められるケースは限定されます。
したがって引継ぎができない、人員が足りないという程度では認められないのです。

では、事業の正常な運営を妨げる場合に該当すれば、退職時の有給休暇の大量消費に対し時季変更権が行使できるのかというと、出来ません。
退職日まで日数が少ない場合には、変更するにも変更先となる日がないので、行使が認められないのです。
したがって、退職時に有給休暇をまとめて取得されるのを防ぐためには、日ごろから有給休暇の使用を促進させる方法をとることが必要です。
以下で有給休暇をまとめて使用されるのを防ぐ方法をお教えします。

就業規則により有給休暇の使用をルール化する

就業規則のある会社であれば、有給休暇を使用する場合のルールを定めていることと思います。
一般的には就業規則で「1週間前には申し出ること」などと決められていますが、この就業規則を利用して有給休暇の使用を制限するのです。

    就業規則に導入したい有給休暇の使用ルール

  1. 連続○日以上の有給休暇を使用する場合には○か月前には申請をすること
  2. 退職時に有給休暇を使用する場合には業務の引継ぎをしなければ有給休暇を与えない

このようなルールを就業規則に導入することにより、退職時に有給休暇をまとめて利用するのを防ぐ効果があります。

しかし冒頭でも説明しましたように、このルールに法的な拘束力はありません。
拘束力はないのですが、従業員に有給休暇の使用についてルールを示す効果はあります。
次以降の方法と組み合わせることで効果がある方法であると言えます。

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退職以前から有給休暇の使用を促す

当然のことではありますが、有給休暇を退職時にまとめて使用される原因は、日ごろから有給休暇が使用されていないことが原因です。
ここで紹介する方法は有給休暇を退職時にまとめて使用されないようにするために、日ごろから有給休暇の使用を促すというものです。
使用させないという上の方法とは真逆の考え方です。

有給休暇の使用を促す方法としていくつか例を挙げますと

  1. 月に1度の有給休暇を呼びかける
  2. ゴールデンウィークなどの連休の前後に使用するように呼びかける
  3. 同じ仕事をしているグループ内で有給休暇をローテーションで使用するように呼びかける
  4. 有給休暇の計画的付与により、お盆休み、年末年始の休みに有給休暇を当てる

この方法は有給休暇を使用してもらうので、従業員がリフレッシュでき、心身の健康が促進されることが見込まれます。
さらに会社全体に有給休暇を取りやすい雰囲気が生まれるため、社内の協力体制ができる可能性もあります。
うまく活用することで、有給休暇を退職時にまとめて使用されるのを防ぐ以外にも多くの効果のある方法であると言えます。

有給休暇の未消化分の買い上げを行う

退職直前の有給休暇の大量消化を防ぐ!その対策方法とは?
有給休暇についてはあらかじめ使用を制限し、その使用しなかった分を金銭で補償する方法は認められていません。
有給休暇は労務から解放されることで心身の休息を得ることが目的だからです。

しかし使用されなかった有給休暇について、その日数分を手当で補償してあげることについては禁止されていません。
有給休暇の使用を制限することは認められていませんが、使用を制限せずに消滅してしまう有給休暇を手当で補償することは従業員の不利益にならないためです。

退職時に有給休暇をまとめて使用したいと申し出た場合に強制的に使用を制限し、有給休暇相当分の手当を支払うことは法律に反することになりますが、会社が有給休暇の使用を制限せず、従業員が引継ぎを行った場合について、退職時に手当で上乗せして払ってあげることについては法律違反とは言えないと考えられるため、その方法を利用する対策もあります。

まとめ
以上有給休暇を退職時にまとめて使用されない方法として3つの方法を紹介しました。
一つだけでも効果があるものもありますが、複数の方法を併用して対策をとるのが望ましいと思いますので、導入できる方法については取り入れてみてはいかがでしょうか。

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